
インテルのMovidius部門は、新しいAIに重点を置いたチップでエッジコンピューティングデバイスをターゲットにしている
トム・クレイジット著
エッジ コンピューティングは、クラウドおよびエンタープライズ コンピューティングの進化における次の大きなステップであり、Intel の新しい Movidius チップ パッケージは、カメラや産業用ロボットなどのエッジ デバイスに人工知能向けに最適化された処理能力を提供することを目指しています。
昨年インテルが買収した子会社のMovidiusは、AIおよび機械学習アプリケーション向けハードウェアの開発に特化した専門チップ設計会社です。同社は月曜日、Myriad 2製品の世代アップグレードとして「ビジョン・プロセッシング・ユニット」Myriad Xを発表しました。Myriad 2は、ハードウェアメーカーがデバイスに搭載する通常のチップに加えて、少量のAI処理能力をデバイスに組み込むことを可能にしました。
Myriad製品にはチップ上に「ニューラルネットワークアクセラレータ」が搭載されており、ニューラルネットワークをベースとしたディープラーニングアプリケーションに対応します。モバイルデバイスや工場などの産業施設内の狭いスペースに収まるよう設計された小型パッケージで、1TFLOPS(1秒あたりテラ浮動小数点演算)の性能を発揮します。
Myriad Xは、GoogleとMicrosoftといった非伝統的なチップ企業が、クラウドサービス向けにAIに最適化されたハードウェアを独自設計で構築している中で登場しました。Googleは5月にTensor Processing Unitを発表し、Microsoftは最近Project Brainwaveを発表しました。どちらのプロジェクトも、クラウド顧客が自社製品への実装が非常に困難なAIハードウェアの能力を活用できるようにします。
しかし、従来のクラウドサービスは、増加の一途をたどるIoTデバイスには必ずしも対応できません。IoTデバイスは、エンドユーザーとクラウドプロバイダーのデータセンター間でデータを送受信する際に発生する遅延を常に処理できるとは限りません。企業は、こうした遅延に敏感な顧客にサービスを提供するために、ネットワークのエッジにあるデバイスにさらなる処理能力を搭載する必要があることに気づき始めています。これは、MicrosoftのCEO、サティア・ナデラ氏が今年5月に開催されたBuild 2019の基調講演で詳細に説明した通りです。
エッジデバイスの高度化が進むにつれて、AI処理といったより複雑なアプリケーションを実行できるようになるでしょう。MovidiusはMyriad Xをゆっくりと開始し、セキュリティカメラメーカーのHikvisionなど、少数の顧客にデバイスを出荷しています。