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エアロジェット・ロケットダイン社、シアトル地域でオリオン推進装置を製造する6,700万ドルの契約を獲得

エアロジェット・ロケットダイン社、シアトル地域でオリオン推進装置を製造する6,700万ドルの契約を獲得

アラン・ボイル

イラスト: 月フライバイ中のオリオンエンジンの噴射
芸術家による想像図は、月面フライバイ中にオリオン宇宙船の主エンジンが点火し、その周囲をエアロジェット・ロケットダイン社がレドモンドで製造した補助エンジン8基が囲んでいる様子を示している。(NASAのイラスト)

エアロジェット・ロケットダインは、2030年代に計画されている3回のミッションで宇宙飛行士を月に運ぶオリオン宇宙船の推進システムを提供する契約をロッキード・マーティンから6,700万ドルで受注したと発表した。

NASAのアルテミス6、7、8ミッションの契約オプションは、昨年月を周回した無人アルテミス1ミッションや、2020年代半ばに月面に有人飛行を行う予定の歴史的なアルテミス3ミッションなど、アルテミス計画の以前のミッションにおけるエアロジェットの取り組みを継承するものである。

「将来のアルテミス計画で宇宙飛行士を安全かつ効率的に輸送する能力を実証し、有人宇宙飛行の刺激的な新世代を効果的に先導するチームの一員であることを誇りに思います」と、エアロジェット・ロケットダインのCEO兼社長であるアイリーン・ドレイク氏は本日のニュースリリースで述べた。

エアロジェット社によると、契約はワシントン州レドモンドの同社施設で管理・実行される。作業はアラバマ州とバージニア州のエアロジェット施設でも実施される。

この契約には、オリオンのサービスモジュール用の補助エンジン8基の追加セット3つと、オリオンの打ち上げ中止システムを乗組員モジュールから分離するのを助ける分離モーター3基の納入が含まれている。

補助エンジンはそれぞれ105ポンド(約45kg)の推力を生み出し、オリオンの宇宙軌道維持と主エンジンの補助を担います。一方、分離用モーターはさらに強力な推力、40,000ポンド(約18,000kg)の推力を発揮します。

エアロジェット・ロケットダインは、オリオン宇宙船の主契約者であるロッキード・マーティンと長年協力し、アルテミス計画の推進部品を供給してきました。2021年に締結された別の契約では、エアロジェットは将来のオリオン宇宙船用の新型メインエンジンを供給することになっています。また、エアロジェットのレドモンド工場では、オリオン乗組員モジュールと、オリオンを宇宙に打ち上げるNASAのスペース・ローンチ・システム(SPSS)の上段用の反応制御スラスタも製造しています。

2030年代は遠い未来のように聞こえるかもしれませんが、オリオンのコンポーネントの製造と統合には数年かかります。昨年11月にアルテミス1号が打ち上げられたとき、レドモンドのエンジニアたちはすでにアルテミス5号のコンポーネントを組み立てており、現在2029年の打ち上げが予定されています。

前回:エアロジェット、アルテミス月探査ミッションに着手