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ゲイツ財団、ワクチンの冷蔵保存を支援するSure Chillを支援

ゲイツ財団、ワクチンの冷蔵保存を支援するSure Chillを支援

ブレア・ハンリー・フランク

シュア・チルのワクチンクーラーのプロトタイプ
シュア・チルのワクチンクーラーのプロトタイプ

ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、発展途上国から病気を撲滅するために多大な時間と労力を費やしてきましたが、一つ問題があります。それは、ワクチン接種がしばしば必要となることです。ワクチンのバイアルは、投与するまで冷蔵保存しなければなりません。バイアルは正確な温度に保たれなければなりません。高温や低温になると、ワクチンの効果が失われてしまう可能性があります。これは、安定した電力供給が受けられない地域にとって大きな問題です。

13950305060_f0012d0fd4_bこの問題を軽減するため、シアトルを拠点とする財団は、ウェールズの企業であるシュア・チル社に140万ドルの助成金を交付しました。同社は、電力なしで内容物を低温に保つことができるクーラーの開発に取り組んでいます。同社によると、このクーラーは電力なしで35日以上ワクチンを冷蔵保存できるとのことです。この助成金により、シュア・チル社は今年後半にクーラーのフィールド試験を開始し、市場投入を目指しています。

このクーラーは、水の特殊な性質を利用して継続的な冷却効果を生み出します。クーラー上部に氷の棚を作り、その下の水をすべて摂氏4度に保つように設計されています。万が一、クーラーの電源が切れた場合、液体の水は温まり始めますが、氷は溶け始め、このサイクルによって水は長時間同じ温度に保たれます。その仕組みを紹介した動画をご覧ください。

この冷却装置が実用化されれば、発展途上国におけるワクチン接種方法に変革をもたらす可能性があります。安定した低消費電力の冷却システムにより、電力供給が不安定な地域でも、予防可能な病気に対する免疫をより効果的に付与することが可能になります。

興味深いことに、ゲイツ財団は、ベルビューに拠点を置く特許保有会社インテレクチュアル・ベンチャーズのグローバル・グッド部門を通じて、同様の受動型ワクチン保管装置への資金提供を行っている。