
ウォルマートは、小売業のライバルであるアマゾンへの入社を阻止するために、元最高税務責任者を提訴した。
ナット・レヴィ著

ウォルマートは、元最高税務責任者がアマゾンに入社するのを阻止するために訴訟を起こし、その離職によって重要な企業情報が最大の小売ライバルの手に渡る可能性があると主張した。
デラウェア州衡平法裁判所に提起され、ブルームバーグが初めて報じたこの訴訟は、リサ・ワドリン氏がアマゾンへの入社に同意したことで雇用契約に違反したと主張している。ウォルマートは、少なくとも2020年まではワドリン氏のアマゾンへの入社を阻止しようとしている。ワドリン氏は1月にウォルマートに退職の考えを伝えていたが、シアトルに移住してアマゾンの税務政策担当副社長に就任する予定であることが発覚したのは、その後のことだ。
ウォルマートは訴訟の中で、インドのeコマース企業フリップカートへの160億ドルの投資(株式80%取得)において重要な役割を果たしたワドリン氏が、買収を含むフリップカートの戦略計画に関する知識を有しており、それをアマゾンに伝えることができたと主張している。ウォルマートは、ワドリン氏によるアマゾンへの機密情報の開示を差し止めるよう裁判所に求めている。
近年、AmazonとWalmartは小売業界の覇権をめぐって激しい競争を繰り広げています。Walmartは実店舗での優位性を活かしてこの戦いに臨みますが、Amazonはオンラインで優位に立っています。Amazonは実店舗での地位向上を目指してWhole Foodsを買収したことで有名ですが、WalmartはJet.comやBonobosといったオンライン小売業者を買収し、デジタルサービスの強化を図りました。
ウォルマートは、アマゾンの物流力に匹敵する機能を着実に追加してきました。食料品配達サービスの拡大や、ウォルマート店舗に展開する大規模なピックアップタワーなどの取り組みは、デジタル小売と実店舗のギャップを埋めつつあります。