
Microsoft Azure CTO: AIと機械学習は「あらゆる業界を変革するだろう」
トム・クレイジット著

クラウドコンピューティングの基本的な魅力、つまりコンピューティングリソースとストレージリソースを従業員ではなくベンダーが管理するという点が確立された今、クラウドベンダーはより高度なサービスの提供に注力しています。Microsoft AzureのCTO、マーク・ルシノビッチ氏によると、人工知能は依然として最も有望な分野の一つです。
先週開催されたGeekWire Cloud Tech Summitで、ルシノビッチ氏はMicrosoftのクラウド部門が注力している分野として、ブロックチェーン技術やエッジコンピューティングなどを挙げました。しかし、競合のAmazon Web ServicesやGoogle Cloudと同様に、ルシノビッチ氏とAzureは、機械学習サービスによって、アプリケーション開発者がまだ想像もできないものでも、5年後には当たり前のものになるようなものを構築できるようになると考えています。
「AIはあらゆる業界に変革をもたらすと考えています」とルシノビッチ氏は述べた。「企業はAIと機械学習を活用してプロセスを自動化し、これまで得られなかった業務に関する洞察を得ています。」
マイクロソフトのAI戦略は2つの要素から成り立っています。他のSaaS企業と同様に、マイクロソフトは自社製品にAI関連機能を追加し、ユーザーがこれまで隠れていたデータ内のパターンを発見できるよう支援しています。また、Azureの使命を踏まえ、マイクロソフトのような巨額の採用予算を持たない企業で働く開発者が、自社のアプリケーションでこの分野の優秀な人材を活用できるツールとサービスを開発しています。
ルシノビッチ氏は、AIに関して「誰も知らない」問題にも言及した。それは、AIがどのように活用されているかについて、一般の人々、そして一部のテクノロジー企業の従業員の間でさえ不信感が高まっているということだ。AIは、誰もが信じたいほど十分に理解されていない。数千人のGoogle従業員が、軍の顧客向けにAI技術を利用しないよう求める嘆願書に署名し、こうした懸念はMicrosoftやAmazon Web Servicesといったクラウド企業の従業員にも広がっている。
「これはサティア(マイクロソフトCEO、ナデラ)が最も懸念していることですが、責任を持って対応し、AIとMLに偏見が入り込まないようにし、悪意のある目的ではなく善のために適用されるようにしなければなりません」とルシノビッチ氏は述べた。