
アップルはアマゾンの契約紛争を利用してハシェットの予約販売を行っている
ブレア・ハンリー・フランク著
Appleは現在、J・K・ローリングの『The Silkworm』(ロバート・ガルブレイス名義の2作目)、ジェームズ・パターソンの新刊4冊、アマンダ・パーマーの『The Art of Asking』など、今後発売予定の電子書籍26冊の予約注文を期間限定でセール中です。
ユーザーはこれらの書籍を iBookstore から 1 冊あたり 9.99 ドルで購入でき、リリースされると自動的に Mac、iPhone、または iPad に配信されます。
これらの書籍は割引価格で統一されていますが、いずれもアマゾンと契約紛争を抱えている出版社、アシェット社が出版しています。アマゾンは現在、アシェット社の近刊書籍の予約注文を受け付けておらず、これらの書籍を購入したい顧客は他のストアを探すよう公式に発表しています。
Apple はこの機会を利用して、Mac、iPhone、iPad ユーザーを iBooks に引き付けようとしています。
しかし、通常のセールとは異なり、これらの予約注文は、これまでKindleや他のプラットフォームを使い続けていたユーザーであっても、Appleの電子書籍ストアをより真剣に検討するきっかけとなる可能性があります。ただし、AndroidユーザーとPCユーザーはこの特別なプロモーションの対象外です。Amazonのより幅広いクロスプラットフォーム対応Kindleアプリとは異なり、iBooksはAppleデバイスでしか動作しないからです。
アップル社がハシェット社と協力してこのプロモーションを行っているのか、それともクパチーノを拠点とするこのテクノロジー企業が単独で活動しているのかは不明だ。
アマゾンとハシェットの争いが初めて明るみに出てから1ヶ月以上が経過したが、事態は収束の兆しを見せていない。最近の調査によると、パターソン氏やスティーブン・コルベア氏といった著名人がハシェット側でロビー活動を展開しているにもかかわらず、アマゾンの評判はこの騒動によって大きな打撃を受けていないことがわかった。
アマゾンは、自社の行動は他の小売業者が取る行動と何ら変わりはなく、紛争以前からハシェットの書籍は同サイトの売り上げのごく一部を占めていたと述べている。
何よりも、シアトルを拠点とする小売業者は、この紛争による経済的打撃がそれほど大きくなく、多くの消費者もその影響を感じていないことから、積極的な交渉を継続できる可能性がある。