
任天堂はシアトルマリナーズの売却益で自社映画を製作する
モニカ・ニッケルズバーグ著
マリオ、クローズアップの準備をしてください。
任天堂社長の君島達己氏は、日本の新聞に対し、今後2~3年以内に自社制作の長編映画の公開を開始すると語った。ワシントン州レドモンドに米国本社を置く任天堂は、シアトル・マリナーズの過半数株式を売却した資金を映画製作への進出資金に充てる予定だとブルームバーグ・ニュースが報じている。
日本の代表的なゲームメーカーは複数の制作会社と交渉中だが、「できる限り自力でやりたい」と君島氏は語った。
この発表は、同社にとって不振な会計年度の後に行われた。同社は、3月期決算の売上高が前年同期比で60%以上減少したと報告した。近年、任天堂のゲーム機の販売不振と、モバイルなどのゲームトレンドへの対応の失敗が、同社の業績を悪化させている。
任天堂はついに、経営再建のための実験を始めたようだ。人気キャラクターを活用し、苦戦する財務状況を改善するための複数の取り組みを発表した。新たな映画化計画に加え、任天堂は最近、複数の新しいスマートフォンアプリ、近日発売予定のNX本体、そして2017年発売予定の『ゼルダの伝説』 新作を発表した。
ゼルダの伝説の主人公リンクが、任天堂の初映画公開前にテレビデビューを果たすかもしれない。任天堂はNetflixと、この人気ゲームを原作とした実写シリーズ制作の交渉を進めている。しかし、両社ともこのプロジェクトについて口を閉ざしている。
任天堂はこれまでも、1993年の悪名高い実写映画『スーパーマリオブラザーズ』のように、時折自社のキャラクターを映画にライセンス供与してきた。しかし君島氏の発表は、任天堂がキャラクターのライセンス供与ではなく映画を製作する初めての発表となる。
任天堂は苦戦する事業を軌道に戻す努力を続けており、今後1年間で4つの新作ゲームのリリースを含むさらなる発表が期待できる。