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アリババはクラウドコンピューティングに10億ドルを投資し、4年以内にアマゾンを追い抜くという非常識な目標を掲げている。

アリババはクラウドコンピューティングに10億ドルを投資し、4年以内にアマゾンを追い抜くという非常識な目標を掲げている。

トリシア・デュリー

アリババ米国でアマゾンの電子商取引事業に挑戦しないようにしてきた中国のハイテク複合企業アリババは本日、クラウドにはその配慮は及ばないと述べた。

アリババは、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform、IBMといった他のクラウドサービス企業に対抗するため、クラウドコンピューティング部門「Aliyun」に10億ドルを投資する計画だ。同社のブログ投稿によると、この資金の一部は中東、シンガポール、日本、そしてヨーロッパに新たなデータセンターを設立し、これらの地域の通信事業者やエンタープライズプロバイダーと提携するために使われるという。

アリユンのサイモン・フー社長はロイター通信に対し、「顧客、技術、世界的規模を問わず、4年以内にアマゾンを追い抜く」という目標があると語った。

アマゾンウェブサービス — AWS「アマゾンやマイクロソフトなどがすでに米国や欧州の市場にクラウドについて啓蒙活動を行っており、我々にとって競争に加わるさらに良い機会となっている」と同氏は語った。

胡氏によると、アリユンは過去6年間、中国市場に重点を置いてきたが、今ではその市場範囲を拡大することにも意欲的だ。3月には、アリユンは米国顧客向けにシリコンバレーにデータセンターを開設した。これは同社にとって中国国外初となる。発表当時、アリユンは米国での展開を模索するものと位置付けていたが、10億ドルの投資を視野に入れた今、アマゾンの非常に収益性の高い事業に本格的に参入しようとしていることは明らかだ。

アリババによる投資の発表は、アマゾンがクラウド部門の収益に支えられ、第2四半期の黒字決算を発表したわずか数日後に発表された。第2四半期のAWSの売上高は18億ドルに達し、前年同期の10億ドルから81%増加した。営業利益は400%以上増加し、3億9100万ドルに達した。

昨年、ニューヨーク証券取引所に記録的なIPOで上場したアリババは、アマゾンの本拠地であるシアトルにエンジニアリングオフィスを開設した。上場以来、同社の株価は中国株式市場全体の暴落と相まって低迷しており、最高値の120ドルから現在は80ドル前後で推移している。