Vision

科学者が「ビッグワン」を引き起こす可能性のある地殻プレートの地図を作成すると、驚きの事実が浮かび上がる

科学者が「ビッグワン」を引き起こす可能性のある地殻プレートの地図を作成すると、驚きの事実が浮かび上がる

ジェームズ・リズリー

カスケード沈み込み帯。画像は米国地質調査所より。
カスケード沈み込み帯。画像は米国地質調査所より。

科学者たちは初めて、太平洋北西部の海岸の下に潜り込み、この地域全体を壊滅的な地震の危険にさらしているプレートの全貌を捉えました。Nature  Geoscienceに掲載された論文で、科学者たちは海底プレートの深部に潜む驚くべき事実について説明しています。

この夏、 シアトル、ポートランド、その他同地域の都市が「大地震」に対していかに備えができていないかを詳述したニューヨーカー誌の衝撃的な記事により、太平洋岸北西部を襲う巨大地震への恐怖が再燃した。

ゴルダプレートはカスケーディア沈み込み帯の底部にある。NASA提供の画像
ゴルダプレートはカスケーディア沈み込み帯の底部にある。NASA提供の画像

一部の住民がパニックに陥り、災害当局が住民に備えるよう呼びかけるなか、オレゴン大学率いる科学者らは、ファン・デ・フカ・プレート上で10か月間データを収集していた70台の地震計のデータを分析し、プレートの動きとそれがカスケード断層に及ぼす影響について理解を深めていた。

「プレート全体にわたるマントルの流れを解明し、プレートテクトニクスを大規模に理解できるようになったのは、今回が初めてです」と、本研究の筆頭著者であり、カリフォルニア大学バークレー校の地球惑星科学科長であるリチャード・アレン氏はプレスリリースで述べた。「私たちの目標は、大規模なプレートテクトニクスのプロセスを理解し、それを最小のスケール、つまり太平洋岸北西部の特定の地震にまで結びつけることです。」

データから得られた最大の驚きは、プレートが均一に動いていないことです。北カリフォルニア沖に位置するゴルダプレートと呼ばれる部分が、その下のマントルとは独立して動いています。つまり、ビッグワンはそれほど大きくない可能性があるということです。

「カスケーディアの地震を見ると、地震はプレートの南部セグメントに沿って発生する場合もあれば、南部の3分の2で発生する場合もあり、またプレート全長にわたって発生する場合もあります」とアレン氏は述べた。「マントルの流れの変化は、このセグメント化と関連している可能性があります。」

カスケディア断層のような断層が全長にわたって破壊されると、マグニチュード9の地震が発生し、地域全体を壊滅させる可能性があります。いわゆる「ビッグワン」です。しかし、断層が小さなセグメントに分かれて破壊された場合、被害ははるかに小さくなり、マグニチュード7または8の地震に抑えられる可能性があります(マグニチュードは対数で表されます)。

これは良いニュースのように聞こえるかもしれませんが、巨大地震の可能性は依然として大きく残っています。新たなデータは、プレートとその下のマントルがどのように動いているかをある程度解明するのに役立ちますが、科学者たちは今後マグニチュード9の地震が発生するリスクを予測するために、モデルを検証する必要があります。

その間も、緊急キットを用意し、地元の災害専門家のアドバイスに従うのが賢明です。