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中国と米国の技術連携強化を目指し、シアトル近郊に1,500人が集結

中国と米国の技術連携強化を目指し、シアトル近郊に1,500人が集結

ダン・リッチマン

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元ワシントン州知事、元駐中国大使、元米国商務長官のゲイリー・ロック氏が、2016年シアトル・ビズテック・サミットの開会を宣言した。(GeekWire撮影)

「何か良いことを、簡単に、早くやりたいなら、人脈が必要だ」と、ワシントン州ベルビュー(シアトル郊外)で本日開催された第4回シアトル・ビズテック・サミットの広報担当者、ナンシー・ヤン氏は述べた。「アメリカではメールやメッセージを使いますが、中国では、そして多くのアジア人にとって、直接会うのが一般的です。」

これが、この1日サミットのコンセプトです。参加者は昨年の1,100人、初年度の400人から1,500人増加し、1,500人に達する見込みです。ネットワーキングと取引成立が会議の主眼ですが、分科会講演も行われます。ヤン氏と組織委員会メンバーのタン・ジャオフイ博士は、中国からの参加者がますます増えていると説明しました。

「人々は自分たちの活動を紹介し、必要な資源を得るためにわざわざ中国まで飛行機で行かなくてもここに来ることができると現地(アジア人)に知らせるためのプラットフォームを必要としている」とタン氏は語った。

会議参加者の一人、中国のネットワーク・通信企業ファーウェイでインテリジェント・ビッグデータ・サービスの製品企画を担当するケイシー・ソン氏は、5月に中国からシアトルに移住したばかりだ。「他の大企業がこの分野でどのような取り組みをしているのか気になっています」と彼女は語った。地元のゲームパブリッシング会社NGamesのセン・チェン氏は、ニューヨークからシアトルに移住したばかりで、中国のコンピューターゲームを米国市場に投入する機会を探るため、この会議に参加した。

中国は昨年、米国に直接300億ドルを投資したが、これは2000年のゼロから増加しており、元ワシントン州知事、元駐中国大使、元米国商務長官のゲーリー・ロック氏は基調講演で、中国が米国への投資、特にテクノロジー分野を検討すべき理由を列挙した。

その中には、強力な労働力、消費者支出の余地が大きいと彼が言う4万8000ドルの一人当たり年間所得、無関税輸出を可能にする貿易協定による複数の海外市場へのアクセス、よく発達した教育システム、強力な研究開発、安価な電力、知的財産の法的保護、そして彼が「米国企業にとっても威圧的になり得るが、明確なルールによって公平な競争の場を保証している」と言う規制構造などがあった。

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マイクロソフトのチーフ AI サイエンティストである Deng Li 氏が、2016 年のシアトル ビズテック サミットで講演する様子。(GeekWire 撮影)

2つ目の基調講演では、今日のコンピュータ技術における最もホットな話題であるクラウドと人工知能(AI)に焦点を当てました。マイクロソフトのチーフAIサイエンティストであるデン・リー氏は、長年にわたり登場してきた様々なニューラルネットワークを概観しました。進歩は見られるものの、AIの道のりはまだまだ長いとデン氏は述べました。AIは、どのようにして結論に至ったかを説明できなければならず、常識を獲得する必要があり(これは長年の努力にもかかわらず達成が困難であることが証明されている目標です)、そして推論方法を学ぶ必要があるのです。

「インテリジェントクラウド」と題した分科会(モデレーターのMicrosoft Azureデータサイエンティスト、カーク・リー氏は「インテリジェントクラウド」という言葉に定義はないことを認めた)に、満員の聴衆を前に、Uber Seattleの機械学習責任者であるルーミン・ワン氏は、機械学習におけるクラウドの最適な活用方法について説明した。機械学習には膨大なデータセットが必要となるため、大量のデータをインターネット経由で流す必要がないよう、モデルのトレーニングは社内で行うのが最善だとワン氏は述べた。しかし、クラウドはモデルの提供には適しているとワン氏は述べた。ただし、幅広いサービスで活用されているUber独自の機械学習については、ワン氏は明確に言及を避けた。

その他の分科会では、モノのインターネット、マーケティング、検索、モバイルインターネット、産業のデジタル変革、米中投資およびビジネスチャンス、外国投資法の概要、ベンチャーキャピタルの機会などをテーマとしたパネルディスカッションが行われました。