
Amazon Web Servicesの中国パートナーは、中国のクラウド顧客にVPNは許可されていないと伝えている。
トム・クレイジット著

中国で事業を展開するためにテクノロジー企業がいかに難しい状況を切り抜けなければならないかを示すもう一つの例として、Amazon Web Services は最近、顧客に中国のグレート・ファイアウォールを回避できるテクノロジーの使用をやめるよう要請し始めた。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、中国におけるAWS事業の現地パートナーである北京信網科技(Beijing Sinnet Technology)は、ここ数日、クラウド顧客に対し、中国の広範なネットワーク監視システムとファイアウォール技術を回避する仮想プライベートネットワーク(VPN)などの技術をホスティングすることは許可されていないことを再度注意喚起するメールを複数回送信した。Appleもまた、中国政府からの同様の圧力を受けて、中国App Storeから複数の仮想プライベートネットワーク関連アプリを削除したことで、厳しい批判にさらされている。
これは、過去10年間に起きた一連の出来事の最新の例に過ぎず、アメリカのテクノロジー企業と中国政府との不安定な関係を浮き彫りにしている。中国政府は、中国で事業を展開するテクノロジー企業は、検閲とコンテンツ規制に関する厳格な法律を遵守しなければならないと主張している。VPN利用の取り締まりは、6月に施行された新法がきっかけとされているが、中国の規制当局は10年以上前から中国で事業を展開するアメリカのインターネット企業を厳しく監視してきた。
多くのインターネット企業と同様に、中国におけるクラウドコンピューティングはアリババやバイドゥといった中国国内企業が独占しており、パブリッククラウドプロバイダーのビッグスリーは中国国内では規模が小さい。これらの中国企業は政府と密接な関係にあるだけでなく、中国の法律によりAWSは中国国内で独自ブランドを使用することが禁じられており、北京信網科技(Beijing Sinnet Technology)を通じて事業を展開せざるを得ない状況となっている。
米国のAWS代表者は、北京シネットから送られた電子メールについてのコメント要請にすぐには応じなかった。