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スタートアップのハッカソン:クリエイティブな「新風」

スタートアップのハッカソン:クリエイティブな「新風」

アレックス・ワインスタイン

スポーツハックデー11
最近のスポーツハックデーの様子

ハッカソンについては、ときどき耳にします。Startup Weekend、Facebook の有名な徹夜イベント、Dropbox の Hack Week などです。

しかし、スタートアップ企業にとって、ハッカソンを開催することが害にならないとは到底考えられません。「数日間の仕事で今やっていることを中断するなんて、どういうこと? 競合他社と競争しているんだから! 自社製品には欠陥があって、それが採用を阻んでいるんだ! 数日を無駄にするわけにはいかない!」

プレッシャーを感じていることは分かっています。それがスタートアップの本質です。

それでも、皆さんに尋ねさせてください。何週間も問題と格闘し、結局は実装に1日しかかからない洗練された解決策を見つけた、なんて経験は何回ありますか? 誰も使わなかった機能を作った経験はありませんか? 従業員が「グラインド」、つまりバグが尽きることなく週80時間も働き、魂を砕かれるような仕事のペースについて話し始めたことはありませんか?

もしそうなら、ハッカソンはこれらのそれぞれに役立ちます。ハッカソンは、人々が一歩引いて全体像に集中し、情熱を注ぐ機会を与えてくれます。たいていの場合、最も辛い部分に集中できるのです。

Wetpaintの事例をご紹介しましょう。2011年の夏、私たちはデータウェアハウスシステムに問題を抱えていました。上記のリストに挙げた症状がすべて現れていたのです。システムの信頼性が極めて低く、社内の顧客はデータを信頼していませんでした。エンジニアたちは毎週土曜日が仕事という日常に疲弊していました。数ヶ月の苦戦の後、私たちはアプローチの構造を変える必要があることに気づきました。

私たちが導入した重要な変更の一つは、オープンエンド・イノベーションのためのフレームワークでした。その目的はシンプルです。参加者全員が数日間、日常業務を中断し、会社全体の事業に関係するものであれば、自分にとって刺激的なことに取り組みます。トップダウンの指示はありません。一人で作業することも、他のメンバーと協力することもできます。唯一の条件は、最後に成果を全員に見せることです。PowerPointではなく、デモで!

私たちはこのフレームワークを「ハックデイズ」と呼びました。

結果には驚きました。当初は士気を高めるための演習として計画されたものでしたが、そこから多くの素晴らしいアイデアが生まれました。あるエンジニアが2日間で取り組んだプロジェクトで、データウェアハウスで抱えていた問題の大半を解決できました。このプロジェクトは、問題に対して全く異なるアプローチを取り、誰も疑う余地のない根本的な前提に疑問を投げかけるものでした。別のエンジニアは、その後3ヶ月かけて最終的に開発することになるツールの、驚くべきプロトタイプを作成しました。そして、そのツールは私たちの収益に大きな影響を与えました。

何よりも重要なのは、この創造性あふれる新鮮な息吹が、通常のスプリントに戻った後も、全員のアウトプットを持続的に押し上げてくれたことです。私たちはこれらのハッカソンを、四半期ごとに全社的なビジネスレビューと合わせて定期的に開催する活動にしました。今では全社員が報告会に招待され、同僚の創意工夫に刺激を受けて、皆が元気とモチベーションを得て帰ってきます。

さらに、エンジニアリング部門以外のメンバーもこのフレームワークを採用しています。例えば、当社のソーシャルマーケティングチームでは、四半期に一度、ベストプラクティスのプレイブックを数日間中断し、チームメンバー一人ひとりに、最もクレイジーでリスクの高いアイデアに挑戦するよう奨励しています。この取り組みは素晴らしい成果を上げています。

スタートアップでぜひ試してみてください。ハッカソンは、既存の企業でも「スタートアップファクトリー」となり得ます。ハッカソンの立ち上げにサポートが必要な場合は、ツイートしてください。喜んでお手伝いします。

アレックス・ワインスタイン(@alexweinstein )は、 Wetpaintの製品開発責任者であり 、不確実な状況におけるデータドリブンな意思決定について探求するブログ「Technology + Entrepreneurship」 の著者で もあります 。Wetpaint入社以前は、Microsoft Live Labsでテクノロジー関連の取り組みを主導していました。