
企業にとって2014年は暗い年?注目すべき3つのトレンド

私たちはシアトルに拠点を置いており、Amazon Web Services、Microsoft Azure、CenturyLink Savvis など、クラウドの世界に深く関わっています。
しかし、私たちにとっても、Amazon Web Services re:Invent カンファレンスの経験は目を見張るものでした。
2012年の最初のカンファレンスは、開発者にとってまさに天国であり、AWSのお披露目パーティーでした。ロケット科学者たちがクラウドの素晴らしさを熱弁する姿も見られました。2013年のre:Inventは、エンタープライズIT部門がクラウドコンピューティングに飛び込み、AWSとその成長するエコシステムがビジネスにもたらす影響を理解することに焦点が当てられました。(2013年には、開発者やスタートアップ企業だけでなく、CIOやインフラIT担当副社長にも出会う可能性が高かったのです。)
クラウドが企業の計画において重要な位置を占めるようになることを示唆した今年の経験から、2014 年の企業テクノロジー市場で予想される 3 つのトレンドをご紹介します。
サービスとしての価格設定への大きな転換
2014年は、ソフトウェアとハードウェア技術の価格設定に大きな変化をもたらすでしょう。これは既存企業に大きなプレッシャーをかけ、「サービスとしての」価格設定を行う企業に有利な状況をもたらすでしょう。長年にわたり、マーケティング自動化から販売サイクル管理に至るまで、あらゆるサービスにおけるSaaS(Software as a Service)は、主にサブスクリプション方式で価格設定されてきました。
しかし、サブスクリプションベースの価格設定は、SaaSをはるかに超えて、インフラストラクチャ「as-a-Service」や新しい形態のマネージドサービスへと進化しています。Pricing-as-a-Serviceは、ソフトウェアとハードウェアの取引のほぼすべての側面を変えます。営業担当者の報酬、収益の認識、チャネルパートナーとの連携、「製品」のサポートなど、「販売側」、つまりベンダー側のほんの一例を挙げただけでも、その変化は顕著です。
サービスとしての料金設定は、購買側にも変化をもたらします。ハードウェアとソフトウェアの両方の購入の多くは依然として資本予算から支出されますが、予算は経常的な運営費へと大きくシフトしていくと予想されます。そして、これは予算編成プロセス、経済的な購買担当者(「IT」から「事業部門」への移行)、そしてもちろんIT運用とサポートにも変化をもたらします。
実際、データ主導型の「マネージドサービスプロバイダー」という全く新しいタイプの企業が出現し、ソフトウェアとサービスを組み合わせて価値を提供するようになるでしょう。サブスクリプションサービスを製品や価格戦略に組み込むことができる革新的な企業は、このトレンドを牽引する最前線に立つための最適な体制を整えています。既存の営業部隊、収益モデル、そして利益率を維持しなければならない既存企業は、変化を迫られ、競争に負けてしまうというプレッシャーに直面するでしょう。顧客はエンパワーメントとアジリティを求めており、PaaS(Pricing as a Service)はこれら両方を実現します。
企業のITには、より高いパフォーマンス基準が求められます
2つ目、そして関連するトレンドは、企業のIT部門におけるアジャイルプロセスの採用です。CIO、ITディレクター、その他ITサービスの運用・開発者は、役割の変化に伴い、新たな期待と選択肢に直面しています。従来の顧客であった社内ビジネスユーザーは、Amazon Web ServicesやAzureなどのインフラストラクチャ、Salesforce.comなどのSaaSアプリケーション、Dropboxなどのモバイルソリューションを自由に探し、利用できるようになっています。ビジネスユーザーが容易にアクセスできるこれらのセルフサービス型で迅速なサービスは、中央IT部門への期待を高めています。
企業のIT部門は今、新たなアジリティで対応しています。例えば、新たなアジャイルソフトウェア開発、レスポンスタイムを向上させる「DevOps」や「オペレーションズ・インテリジェンス」といった新たな自動化・管理体制が採用されています。さらに、IT部門の役割についても、中央ITデリバリーからサービスブローカーへと新たな視点が生まれています。2013年には、次世代ITへの抵抗から受容へのシフトが顕著になりました。そして2014年には、そのスピードはさらに加速するでしょう。
APIエコノミーの出現

昨年、わずか1週間で、当社の傘下企業3社がAPI統合に初期段階のZapierを利用していることが判明しました。それ以来、これらのAPIに特化したサービスが「APIエコノミー」へと急速に移行していく様子を目の当たりにしてきました。サービスがクラウドに移行し、APIが企業やアプリケーションに合わせてパーソナライズされたデータや自動化ワークフローを作成するための中核的な結合組織となるにつれ、こうしたAPI統合を維持することの重要性はますます高まっています。
一部の企業は長年、基本的なAPI主導のプロセスを管理してきました。オンライン旅行予約サービスと、顧客に迅速かつ満足のいく体験を提供するために接続する必要がある無数のシステムを思い浮かべてみてください。今、変化が起きているのは、あらゆる企業が、インフラストラクチャ層からスマートなコネクテッドデバイスに至るまで、Webサービスに対する高まる需要に応えるために、ワークフローを自動化・パーソナライズできることに気づき始めていることです。そのため、これらのサービスはより幅広く、使いやすく、そしてもちろん、クラウドのサブスクリプションを通じて利用できるようにする必要があります。
2014 年には、テクノロジー プロバイダーとテクノロジー コンシューマーが、Pricing-as-a-Service、アジャイル エンタープライズ IT、API エコノミーを採用するでしょう。また、複数の CIO やテクノロジー業界の幹部が私に語ったように、変化のペースは加速しています。
AWS re:Inventでは、WorkspacesやCloud Trailsといった新サービスによる急速なイノベーションが際立っていました。2014年はAWS、Azure、そして多くの魅力的なスタートアップ企業が業界を牽引していくと確信しています。
マット・マクイルウェインは、マドロナ・ベンチャー・グループのマネージングパートナーであり、太平洋岸北西部のアーリーステージのテクノロジー企業に投資しています。現在、2nd Watch、Animoto、Apptio、ExtraHop、GraphLab、Mixpo、PayScale、Placed、Qumulo、Smartsheet、Skytapの取締役を務めています。Twitterで@mattmcilwainをフォローできます。