
マーク・キューバン:今回のITバブルは2000年のITバブルよりもひどい
フランク・カタラーノ著

ドットコム時代のスタートアップ創業者であり、ダラス・マーベリックスのオーナーでもあるマーク・キューバンは、テクノロジー業界の投資状況について、あまり好意的な見方をしていない。彼は、今まさに巨大なテクノロジーバブルの真っ只中にあると考えている。そして、彼自身の言葉を借りれば、「今日のバブルは、アプリや小規模なテクノロジー企業に投資する個人投資家から生じている」のだ。
キューバン氏は自身のブログ記事で、現在の投資環境は世紀の変わり目のドットコムバブル崩壊をもたらした環境よりも危険だと主張している。
「当時は」とシャークタンクのスターは書いている。「一般大衆が投資していたのは上場企業だった。ひどい企業だったかもしれないが、上場しているということは、投資家が株式を売却できる流動性があったということだ。」
現在では、「かつて個人投資家や小規模投資家と呼んでいた人たちは、今ではエンジェルと呼ばれています」と彼は述べ、新たな株式クラウドファンディングの仕組みにより、わずか5,000ドルの投資でも可能になったという。
この組み合わせは爆発的なリスクをはらんでいる。なぜなら、キューバン氏は「これらの投資には流動性が全くない」と主張するからだ。彼は悲惨な結果を予測している。「SECが賢明にも、5,000ドルを夢に投資した未亡人や孤児のために何らかの流動性を創出するとは考えにくい。彼らは車の修理費用が必要になった時に、現金が戻ってこないことに気づくだろう。」
「では、なぜ今回のバブルは2000年のITバブルよりもはるかにひどいのでしょうか?」とキューバン氏は皮肉を込めて問いかける。「なぜなら、バリュエーションが崩壊する市場よりも悪いのは、バリュエーションも流動性もない市場だからです。」
キューバン氏は強硬な姿勢を見せているが、今日のテクノロジー系新興企業の「ユニコーン」評価額が数十億ドル規模であることに疑問を呈しているのは同氏だけではない。

今週初め、サンフランシスコで伝説の投資家クリス・サッカ氏がローンチフェスティバルでこう語った。「シリコンバレー全体が先走りすぎていると思う。だから、この崩壊を心待ちにしている。偽善者たちが一掃され、筋金入りの起業家やビルダー、高校のカフェテリアでせっせとキャンディーを売ってきた人たち、生涯をかけて戸別訪問を続けてきた人たち、このゲームのために生まれてきた人たちがまた一人になる日が待ちきれない。」
しかし、誰もが同意するわけではない。昨年10月に開催されたGeekWire Summitで、Zulilyの会長マーク・ヴァドン氏は、今日のスタートアップは「はるかに価値が高まっている」と述べた。シアトルのCEOによるパネルディスカッションでは、現在巨額の評価を受けているスタートアップは真の成長を遂げていると指摘された。「収益がなかった90年代後半や2000年代初頭とは状況が違う」と、MozのCEOサラ・バード氏は述べた。
そして、テクノロジーの特定の分野にバブルがあるとすれば、それは当然だと主張する人もいる。NetflixのCEOであり、DreamBox Learningの取締役でもあるリード・ヘイスティングス氏は、昨年4月に開催された投資に焦点を当てた教育テクノロジーカンファレンスで、EdTechの可能性に対する「驚異的な追い風」を踏まえると、現在のバブルはもはや十分ではないと述べた。
キューバン氏は他人の説明にはあまり感銘を受けていないようだ。「当時、成功する可能性のない公共のウェブサイトに投資するのは愚かだと思っていたのなら、今はもっとひどい状況だ」と彼は書いている。