
ワシントン大学発の隠れたスピンアウト企業が、非侵襲性癌診断液体生検のために資金を調達
クレア・マクグレイン著

ワシントン大学発のスピンアウト企業ベルウェザー・バイオは自社の技術について多くを明かしていないが、同社が公開している情報は、がん患者にとってもシアトルのバイオテクノロジー業界にとっても希望の持てるニュースとなる可能性がある。
ワシントン大学のゲノム研究者ジェイ・シェンデュア氏と技術者マシュー・スナイダー氏によって設立されたこのスタートアップ企業は、従来の侵襲的な生検を行わずに患者のがんのDNAを検査できる「液体生検」技術を商品化している。

プレスリリースによると、このスタートアップは今年初めに「応募超過」のシードラウンドで資金を調達した。同社は総額を公表していないものの、今週SECに提出された書類によると、270万ドルを調達したとのことだ。GeekWireは本日同社にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
投資家には、ワシントン大学のWファンド、ワシントン研究財団のWRFキャピタル、初期段階のバイオテクノロジー投資ファンドであるバイオエコノミーキャピタルなどが含まれる。
プレスリリースによると、同社は「液体生検技術の検証と商品化に向けて、大手のがん診断企業と積極的に協力している」という。
現代の癌治療は、患者の癌細胞の DNA 検査に大きく依存する傾向があり、通常は生検中に患者の腫瘍から採取された細胞を分析することによって行われます。
しかし、生検は侵襲的な処置であり、患者にとって非常に不快な場合があります。また、腫瘍の位置によっては生検が全くできない場合もあります。そこでリキッドバイオプシーの出番です。これは、患者の血流中に放出された死んだ腫瘍細胞からDNAを検出・分析できる血液検査です。
この処置により、患者が他の症状を示す前にがんを発見できる可能性もあり、がんを早期に発見して、治療が成功する確率を高めることができる。
この手法は、まだ初期段階であるものの、がん、そしておそらく他の疾患の治療と検出における画期的な技術となる可能性があるとして注目を集めています。シェンデュア氏とスナイダー氏は、ワシントン大学にあるシェンデュア氏の研究室を通じてこの研究に取り組んでおり、昨年、この技術の概念実証論文を発表しました。
ベルウェザー・バイオへのこの堅調な資金調達ラウンドは、近年特に州からの業界支援が減少したことにより低迷していたワシントン州のバイオテクノロジーおよびライフサイエンス業界にとっても明るい兆しである。