
Salesforceは、自然言語クエリのサポートにより、サービスから分析データをより簡単に抽出できるようにしたいと考えています。
トム・クレイジット著

多くの人にとって、データサイエンスの言語を少しも習得せずに強力な分析ツールを使いこなそうとするのは、ギアチェンジの仕方を知らずにF1レースに参戦するようなものです。使いこなすのが大変なこともあります。Salesforceは月曜日に、セールスフォース・ドットコムの営業・マーケティングツールに搭載されているデータツールの一部を、日常会話で使える言語でデータを表示できるようにすることで、ユーザーがより簡単に使えるようにしたいと発表しました。
ほぼすべてのSaaS企業と同様に、Salesforceは、ユーザーがシステム内の営業・マーケティングデータをより有効活用し、契約更新を促すことを目指し、自社のサービスに人工知能(AI)機能を積極的に導入してきました。Salesforceは昨年6月にEinstein Analyticsを発表し、現在では自然言語クエリを入力として受け付けることで、同サービスの使い勝手を向上させています。
例えば、営業マネージャーはSalesforceコンソールに「年間売上高上位の取引先を表示」といった入力をするだけで、これまではレポート生成に必要なフィールドやパラメータを設定する必要がありませんでした。Einstein Analyticsは、コンソールに入力すると検索語句の候補を表示し、地図やグラフなど適切な出力形式も提案します。
この新サービスはベータ版で提供されており、技術に詳しくない営業・マーケティングマネージャーでも、比較的シンプルなデータに基づく質問に迅速に回答できるようになるはずです。AIと機械学習は現在、エンタープライズテクノロジー分野の製品開発の大きな部分を牽引しているかもしれませんが、技術に詳しくないユーザー向けに設計された顧客関係管理(CRM)のようなサービスでは、データサイエンティストなしでも実際にそのテクノロジーを利用できるようにすることが、AI競争そのものよりも重要と言えるでしょう。
[編集者注: Salesforce は GeekWire の年間スポンサーです。 ]