
なぜ一部のCIOはクラウドへ走らずに歩いているのか
トム・クレイジット著

GeekWire Cloud Tech Summitの午前中のプレゼンテーションや技術講演を聞いた方は、誰もがクラウドコンピューティングを使っていると思っていたかもしれません。しかし、昼食後すぐに現実が明らかになりました。
実のところ、テクノロジー系以外の大手企業のほとんどは、コンピューティングインフラに関して、アラスカ航空やプロビデンス・セントジョセフ・ヘルスと多くの共通点を持っていると言えるでしょう。アラスカ航空のCIO、チャル・ジェイン氏によれば、多くの「ヘリテージ」テクノロジーが自社管理サーバー上で稼働しているのです。ジェイン氏は、同航空会社がパブリッククラウドで稼働させているワークロードは約30%と推定しています。一方、プロビデンス・セントジョセフ・ヘルスのCIO、ジャニス・ニューウェル氏は、SaaS(Software as a Service)を含め、その割合は10~15%としています。
451 Researchのナンシー・ゴーリング氏との議論の中で、ジェイン氏とニューウェル氏は共に、自社が新しいアプリケーションにクラウドサービスを利用していると述べました。つまり、クラウドサービスについて先ほどの講演者が述べた価値を無視しているわけではないということです。しかし、正常に動作している古いアプリケーションを移行するのは、単純に難しいのです。これは、連邦規制により特定の方法で保管しなければならない膨大な量の医療記録を扱わなければならないニューウェル氏にとって特に困難なことです。
Providence St. Joseph がクラウドで何かを移動するかどうかを決定する要因の 1 つは、不動産です。
同社の医療記録は常に増加しており、新たなデータセンターを建設する予定はない。そのため、増加するストレージサーバーは、医療記録とは無関係な古いアプリケーションをクラウドに移行できる、とニューウェル氏は述べた。また、「(アプリケーションに必要な)処理能力の速度が大きく変動する場合、あるいは高速になる場合は、クラウドに移行する」と彼女は述べた。
アラスカはクラウド時代への移行において既に少し進んでおり、Microsoft Azureにもしばらく関わっているとジェイン氏は述べた。しかし、アラスカも慎重に進めており、今月初めにセーバーが行ったようなマルチクラウドへの賭けに出る準備はまだ整っていない。
「私たちは、成熟してマルチクラウド環境を実現する前に、1つのこと(クラウド全般)を改善しようと努めています」と彼女は語った。