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ワシントン大学がディズニーと提携し、安価なタッチ感応紙を開発

ワシントン大学がディズニーと提携し、安価なタッチ感応紙を開発

ジェームズ・リズリー

スマートポーリングは、高価なデバイスを操作せずにリアルタイムのフィードバックを可能にします。画像提供:Eric Brockmeyer/Disney Research
スマートポーリングは、高価なデバイスを操作せずにリアルタイムのフィードバックを可能にします。画像はEric Brockmeyer/Disney Researchより。

安価なスクリーンが豊富にあるにもかかわらず、情報を紙に印刷する方がデジタルで送信するよりも簡単な場合が多い。しかし、ワシントン大学、ディズニー・リサーチ、カーネギーメロン大学が開発した新しいコネクテッドペーパー技術は、印刷されたページにインタラクティブな要素を加える。

PaperIDは、バッテリー不要のRFID技術を用いて、信号の乱れを測定することで、タッチ、スワイプ、さらには手の振りまで検知します。これにより、教師は生徒のテストの成績を迅速に把握でき、メーカーはコストのかかる試作をすることなく、インタラクティブなスマートホーム機能を迅速に開発・実装できます。

「この技術のインスピレーションは紙です」と、ワシントン大学コンピュータサイエンス・エンジニアリング博士課程の学生で、論文の筆頭著者であるハンチュアン・リー氏は述べています。「紙は今でも最も普及している媒体の一つです。RFIDタグが紙と同じくらいシンプルで柔軟、そして安価なインターフェースを実現できるのであれば、あらゆる場所にRFIDタグを設置することは理にかなっています。」

RFIDタグは1枚約10セントと汎用性が高く、ステッカーやステンシルとして貼ったり、専用ペンで手書きで描いたりできます。RFIDタグには固有のIDがあるため、混雑した部屋でも、1台のリーダーで複数のタグを監視できます。

PaperIDシステムは、RFIDタグの周囲の触覚や動きに加え、タグ自体の動きも感知できます。研究者たちは、風車を通して風速を視覚化する方法を実演しました。また、紙を指揮棒のように丸めて仮想オーケストラを指揮したり、音楽の再生をコントロールしたりすることも可能です。

紙という普遍的な素材が研究チームにとっての決め手となりましたが、柔軟性、低コスト、そして環境に優しいという特性も、枯れ木パルプを魅力的な選択肢としました。しかし、研究チームの技術は他の素材にも応用可能であり、幅広い物体にインタラクティブな要素を安価に付加することが可能です。