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マイクロソフトとNASAがHoloLensを使った仮想火星ツアーを共同制作

マイクロソフトとNASAがHoloLensを使った仮想火星ツアーを共同制作

アラン・ボイル

HoloLens の Mars Curiosity と Erisa Hines
火星探査車キュリオシティの運転手、エリサ・ハインズ氏が、「Destination: Mars」複合現実ツアーで参加者に話しかけている。(クレジット: NASA / JPL-Caltech / Microsoft)

Microsoft と NASA は、この夏デビュー予定の複合現実体験を通じて、HoloLens を一般向けに提供し、さらに大勢の人々を火星へ連れて行きます。

今夏、フロリダ州にあるNASAケネディ宇宙センター・ビジター・コンプレックスでオープンする展示会「Destination: Mars」では、火星探査車キュリオシティが訪れた場所を巡るバーチャル・ガイド・ツアーに一般の人々が参加できる。

アポロ11号の月面歩行者バズ・オルドリンは、NASAジェット推進研究所のキュリオシティ探査車運転手エリサ・ハインズとともに「ホログラフィックツアーガイド」の一人を務めている。

「この体験により、一般の方々は火星を全く新しい方法で探索することができます」と、JPLのビジュアライゼーション・プロデューサー、ダグ・エリソン氏は本日のニュースリリースで述べた。「キュリオシティが移動しているまさにその地形を歩くことで、その成果と発見を美しい文脈の中で理解することができます。」

ユーザーがMicrosoft HoloLensヘッドセットを装着すると、頭を動かすと火星の風景が3Dで映し出され、それに合わせて回転します。まるで火星を歩いているかのように、その風景の中を歩くことさえできます。(この技術は、私が12年ほど前に夢見ていた惑星間テレプレゼンスの構想を現実のものにしたものです。)

「Destination: Mars」は、Microsoft と JPL が共同開発した 3D 視覚化ツール OnSight を改造したもので、キュリオシティの科学者が火星の地形を探索するのを支援するものです。

HoloLens 探査の目的地として計画されているのは火星だけではありません。JPL は、国際宇宙ステーションで宇宙飛行士が使用できる、またエンジニアが宇宙船の設計や組み立てに使用できる複合現実アプリケーションの開発に取り組んでいます。

スコット・ケリー宇宙飛行士が軌道上で約1年を過ごしたこの数ヶ月間、ISSの宇宙飛行士たちはHoloLensヘッドセットを初めて宇宙で試用しました。地球に帰還したケリー宇宙飛行士は、複合現実技術は「宇宙だけでなく、もちろん地球上でも大きな応用の可能性を秘めている」と述べました。

HoloLens で火星を体験するバズ・オルドリン
アポロ11号の月面歩行者バズ・オルディンは、HoloLensを使った複合現実体験「Destination: Mars」で「ホログラフィック・ツアーガイド」として活躍しています。(クレジット:NASA / JPL-Caltech / Microsoft)

複合現実(MR)技術(拡張現実とも呼ばれる)は、コンピューター生成画像と現実の風景をユーザーの視界に融合させる技術です。技術的には、ユーザーの現実環境から独立した没入型の3D体験である仮想現実(VR)とは異なります。

NASAは、テクノロジーパートナーと協力して、火星でのバーチャルリアリティ体験の創出にも取り組んでいます。その一つが「The Mars 2030 Experience」で、これはNASAとFusion VR、NVIDIA、そしてMIT宇宙システム研究所とのパートナーシップによる成果です。

「Mars 2030」では、まるで映画『オデッセイ』の仮想セットに没入しているかのような、火星のシミュレーション3D環境を探索できます。このプロジェクトは今月、テキサス州で開催されたサウス・バイ・サウスウエスト・フェスティバルで初公​​開されました。

開発者によると、「Mars 2030」の無料デモ版は、Oculus Rift、Google Cardboard、Samsung VR Gear、PlayStation VR、HTC Vive向けにまもなく公開される予定で、ValveのSteamマーケットプレイスとFusion.netで配信されます。また、iTunes(Apple iOS版)とGoogle Play(Android版)でも入手可能です。Twitch.tvでは、ストリーミングビデオ版も配信されます。

ワシントン州ベルビューに本社を置くValveは、HTC Vive向けに独自の火星VR環境をデモンストレーションしています。同社は最近、将来のVRアプリケーション開発のため、シアトルの航空博物館でスペースシャトル練習機のコックピットの画像を収集しました。