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今週の本: 『ハードウェアスタートアップ』はあなたのアイデアを作業台から世界へ届けます

今週の本: 『ハードウェアスタートアップ』はあなたのアイデアを作業台から世界へ届けます

ハードウェアスタートアップスタートアップというと、多くの人がデジタル技術で課題解決に取り組むアプリ開発者や起業家精神あふれるプログラマーを思い浮かべるでしょう。しかし、Kickstarter、3Dプリンター、そして独創的な新発明を熱心に取り上げるテクノロジー系メディアの存在により、ハードウェア系スタートアップは、自分が何をすべきか分かっていれば、はるかに実現可能になりつつあります。

『The Hardware Startup』は 、発明を成功に導く製品とビジネスへと発展させる方法を解説し、ブランディング、事業開発、そしてデジタル創作に重点が置かれた環境における物理的な製品開発といった課題を探求しています。本書は、投資家兼事業開発担当エグゼクティブのレニー・ディレスタ氏、そしてハードウェアアクセラレータHighway1のリーダーであるブレイディ・フォレスト氏とライアン・ヴィンヤード氏によって執筆されています。フォレスト氏は、近日開催されるGeekWire Summitで講演を行い、Syfyの近日放送シリーズ『Bazillion Dollar Club』にも出演予定です。

世界を変えるようなアイデアを思いついた瞬間から、 ハードウェア スタートアップは、 製品を市場に投入する際に直面するハードルを予測し、克服するのに役立ちます。

本書は11の独立したセクションに分かれており、ブランディングや市場調査といったスタートアップに関する一般的なアドバイスから、プロトタイプ作成や実製品の市場投入といったハードウェア特有のヒントまで、幅広い内容が網羅されています。各章にはケーススタディが散りばめられており、成功したスタートアップと失敗したスタートアップが様々な状況にどのように対処したかを解説しています。

『The Hardware Startup』からのアドバイスの中には 、市場調査や複数のプロトタイプの作成など、最初から当たり前のことのように思えるものもあります。しかし、ディレスタ氏、フォレスト氏、そしてヴィニヤード氏は、予想外に遭遇する可能性が高いものの、実際には想定外の問題の非常に具体的な例を挙げています。

ブレイディ・フォレストのサムネイル
ハードウェアスタートアップの共著者、ブレイディ・フォレスト

例えば、デジタル製品とハードウェア製品のブランディングには重要な違いがあります。オールデジタル企業は製品を市場に投入した後にブランディングを気にするかもしれませんが、著者らはハードウェアのブランディングは他のほとんどすべてのものよりも先に検討すべきだと指摘しています。

「実店舗の棚に並んでいる場合、製品の長所を説明できるヘルプテキストや比較表を備えたウェブサイトは存在しません」とブランディングの章には記されています。「自社製品と競合他社製品のどちらかが、ほぼ同じ価格で顧客の目的を満たせる場合、ブランドは強力な差別化要因となります。」

本書はプロトタイピングに関する貴重なアドバイスも提供しています。IDEOによる初代Appleマウスの開発を例に挙げ、コンピュータ支援によるデザインではなく、物理的なモデルから始めることで、ユーザーに受け入れられる製品がいかに生み出されたのかを考察しています。IDEOは何百ものフォームを作成することで、新しいインタラクションデバイスに最適な人間工学的設計を見つけることができました。

『ハードウェア・スタートアップ』は 、スタートアップが直面するより広範な課題についても検証していますが、今回はハードウェア市場に焦点を当てています。適切なチームの構築からクラウドファンディングキャンペーンのマーケティングまで、ハードウェア・スタートアップは特有の課題に直面します。各章は特定のトピックに関する独立したガイドとして作成されているため、既にチームを組んでいる起業家も、特定のトピックに興味がある起業家も、必要な情報をすぐに見つけることができます。

ハードウェアに特化したスタートアップのアイデアをお持ちなら、靴型フィットネストラッカーでも、節約型キッチンロボットでも、  『The Hardware Startup』はアイデアを店頭に並べるまでの道のりを解説する素晴らしいガイドブックです。O'Reilly Media発行の本書はAmazonでもご購入いただけます。

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