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アステラス製薬がユニバーサルセルズを1億200万ドルで買収、シアトルで1ヶ月で3件目のバイオテクノロジー企業買収

アステラス製薬がユニバーサルセルズを1億200万ドルで買収、シアトルで1ヶ月で3件目のバイオテクノロジー企業買収

クレア・マクグレイン

ユニバーサルセルズCEO、クラウディア・ミッチェル氏。(写真はLinkedInより)

日本の製薬・バイオテクノロジー企業であるアステラス製薬は、シアトルのバイオテクノロジー企業ユニバーサル・セルズを買収する。

アステラス製薬は、ユニバーサルセルズ社に対し、ユニバーサル幹細胞技術の開発において一定の基準を満たすことを前提に、契約一時金およびマイルストーンペイメントとして最大1億250万ドルを支払う予定です。この技術は、幹細胞を遺伝子改変することで誰でも利用できるようにするもので、患者が自身の幹細胞を使用したり、バイオマーカーが一致するドナー幹細胞を探したりする必要がなくなります。

「再生医療による疾患治療の可能性を実現するというアステラス製薬の取り組みに不可欠な存在となることで、当社のユニバーサルドナーセル技術の潜在能力を最大限に引き出せることを大変嬉しく思います」と、ユニバーサルセルズCEOのクラウディア・ミッチェル氏はプレスリリースで述べています。「今回の買収は、当社の独自技術の計り知れない可能性と、ユニバーサルセルズチームの卓越した取り組みが認められた証です。」

この買収により、ユニバーサル・セルズは過去1ヶ月で買収されたシアトルのバイオテクノロジー企業としては3社目となります。バイオテクノロジー大手のセルジーンはジュノ・セラピューティクスを90億ドルで買収することで合意し、シアトル・ジェネティクスはカスカディアン・セラピューティクスを6億1,400万ドルで買収する予定です。

この傾向は、セルジーン社がジュノ社を買収した理由の一つとして挙げられた、最近の税制改革が一因となっている可能性がある。この税制改革には、企業が海外保有資産を米国に還流させる一時的な措置が含まれており、数十億ドル規模の資金が米国に流入し、買収に必要な資金が確保された。

しかし、この傾向は別の側面も示唆している。シアトル地域は、バイオテクノロジー企業やヘルスケア企業、特に大手上場企業を維持するのが困難だ。買収が増加するにつれて、市内の独立系バイオテクノロジー企業の数は減少しているのだ。