
シアトル・ジェネティクス、がん撲滅に向けてカスカディアン・セラピューティクスを6億1400万ドルで買収
クレア・マクグレイン著

抗体ベースのがん治療薬を開発するバイオテクノロジー企業シアトル・ジェネティクスは水曜日、カスカディアン・セラピューティクスと同社の低分子乳がん治療薬を約6億1,400万ドル(1株当たり10ドル)で買収すると発表した。
シアトル・ジェネティクスは、この移転資金を調達するため、5億5000万ドルの株式公開も準備している。同社はカスカディアンの従業員と経営陣に関する計画についてはコメントを控えた。
カスケディアンの株価は太平洋標準時午前8時半までに70%以上上昇して10.16ドルとなったが、シアトル・ジェネティクスの株価は約4%下落して53.58ドルとなった。
カスケディアン社は、ツカチニブと呼ばれる低分子医薬品を開発しています。この薬は、乳がん、大腸がん、卵巣がん、胃がんなどの固形がんに非常に多くみられる受容体であるHER2を発現するがんを攻撃することができます。現在、FDAの承認取得の最終段階にあり、承認取得が完了すれば市販が可能になります。
「今回の買収により、HER2陽性転移性乳がん患者様にとって、クラス最高となる可能性のある経口投与可能な選択性の高いチロシンキナーゼ(TKI)が開発され、後期臨床パイプラインが強化されます」と、シアトル・ジェネティクス社のCEO、クレイ・シーガル氏はプレスリリースで述べています。「乳がん以外にも、HER2陽性転移性大腸がんなど、他の腫瘍種においてもツカチニブは活躍できる可能性があると考えています。カスカディアンのパイプラインには、前臨床段階の免疫腫瘍薬も含まれています。カスカディアン・セラピューティクス社のチームを迎え、ツカチニブ開発プログラムの勢いを継続できることを楽しみにしています。」
シアトル・ジェネティクス社独自の治療法は、免疫システムの一部である抗体を用いて、がん細胞に直接抗がん剤を送り込むものです。この技術は「抗体薬物複合体」と呼ばれています。
同社は既に、複数の血液がんの治療薬として成功を収めている「アドセトリス」という治療薬を市場に投入しています。また、固形がんの治療薬も開発中で、HER2陰性乳がんおよびトリプルネガティブ乳がんを対象とした治療薬も開発中です。