
ハッブル宇宙望遠鏡で火星を覆い隠すフォボス
アラン・ボイル著

ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた画像では、小さなフォボスが火星の栄光に割って入っている。
本日公開された赤い惑星とその2つの衛星のうち大きい方の画像は、実は周回衛星のより鮮明な視界の証明である。
フォボスは、直径16.5マイル(約26キロメートル)以下の、岩と氷でできた不規則な塊です。ワシントンD.C.のベルトウェイ(環状道路)の内側に収まるほど小さいですが(ただし、首都の住民にとっては、あまり快適とは言えないでしょう)。
太陽系で最も小さい衛星の一つであるにもかかわらず、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3は、2016年5月12日に22分間にわたって撮影された一連の画像の中で、宇宙の黒い背景に対してフォボスを容易に検出することができた。
当時、火星は地球から5000万マイル離れていました。
ハッブル宇宙望遠鏡が観測を行った当時、科学者たちは実際には火星に注目していました。ボルチモアに拠点を置く宇宙望遠鏡科学研究所が本日の画像アドバイザリーで指摘しているように、フォボスが画像に写っていたのは大きな利点でした。
フォボスは、火星とその衛星を目指す最初の宇宙飛行士の有力な目的地としてしばしば注目されています。低重力のため、宇宙船の着陸・離陸が容易になるとされています。2年前、「人類が火星を周回する」と題された赤い惑星探査の青写真では、2039年に開始される火星表面での活動に向けた準備段階として、2033年までに宇宙飛行士をフォボスに送り込むスケジュールが示されました。
アポロ11号の月面歩行者バズ・オルドリンはフォボスのファンだ。火星探査の拠点として最適であることも理由の一つだが、その表面に謎の一枚岩があることも理由の一つだ。「人々がそれを知ったら、『誰がそこに置いたんだ?』と言うでしょう」とオルドリンは2009年に語った。
ハッブル宇宙望遠鏡の最新画像がその謎を解き明かすわけではないが、火星とその衛星の魅力を浮き彫りにする。また、火星が地球の空で月と同じくらい大きく見えるかもしれないという、毎年8月になるとインターネット上に流れてくるフェイクニュースを阻止する機会にもなる。