
Q&A: プテロフィンは鳥の翼から風力タービンの設計を借用
デニス・デュボア著
シアトルに拠点を置くPterofin社は、自然界のデザインを模倣し、目を引く風力・水力発電用のタービンを開発しています。その功績により、同社は数々の賞を受賞しており、最近では2012年のPacific Northwest Cleantech Openで準決勝に進出しました。Pterofin社の創業者であり発明家でもあるウォレス・ケンプキー氏に、その全容について話を聞きました。
プテロフィンはどのように世界を変えるのでしょうか?「私たちの設計により、従来のタービンでは発電や揚水ができない状況でも発電や揚水が可能になります。これにより、発展途上国の人命が救われ、世界の他の地域では化石燃料への依存を減らすことができます。」
どのような問題を解決していますか?「現在利用可能な風力タービンは高価です。年間平均風速が、これまで風力発電が成功してきたロッキー山脈地域よりも低い米国のほとんどの地域では、風力タービンは現実的ではありません。タービンは大きな騒音を発し、強風時に故障すると自爆する恐れがあります。たとえ中程度の風でも、風力タービンに関する最大の苦情の一つは、鳥やコウモリが死んでしまうことです。」
具体的にどう解決するのですか?「私は、翼が前後に振動することでエネルギーを生成できる重力アシスト制御システムを発明しました。これは鳥の翼や魚のひれの動きを模倣したもので、科学の分野ではバイオミミクリーと呼ばれています。一般的な風力タービンに比べて、7つの大きな利点があります。」
プテロフィンのメリットは何でしょうか?「プテロフィンを作るのに必要な材料は豊富にあるので、製造コストは低くなります。翼の表面積がタービンよりも大きいため、低風速でもより多くの風力や水力エネルギーを捉えることができます。さらに、タービンよりもはるかに静かです。強風時には、翼を折りたたんで休眠状態になり、身を守ることができます。鳥の生存率という点でも、環境への配慮ははるかに優れています。」
タービンよりも見た目が美しいと聞きました。また、可動部分が地面からずっと低い位置にあるので、メンテナンスも簡単です。住宅だけでなく、商業施設や工業施設にも設置できます。拡張性も抜群です。風力だけでなく、水中でも発電できます。海流、潮流、河川、小川などからエネルギーを回収できます。

このアイデアのインスピレーションは何でしたか?「約8年前、魚の背びれの動きをリバースエンジニアリングで再現しようというアイデアを思いつきました。あの魚はエネルギーを使って動きを生み出すのではなく、動き自体がエネルギーを生み出すのではないかと考えたのです。もともと物作りが好きだったので、きっと楽しいプロジェクトになると思いました。デザインを改良し続け、ついに6回目か7回目の試作機を作った頃には、ファンの前でうまく動作し、何か良いものができると確信しました。このアイデア、あるいはプロジェクトをビジネスとして追求しようと思ったきっかけは、ロータリークラブの友人たちがアフリカに行き、飲料水用の井戸の設置を手伝ったことでした。自分のスキルを活かして、汚染された水を飲んで命を落とす人を救えたら素晴らしいと思ったのです。試作機を作り続けた結果、すべてがうまく動き始めたのです。」
資金はどのように調達していますか?「Pterofinは今のところ自己資金で運営しています。現在、特許の取得と製造プロトタイプの製作のために、少額の投資資金を探しています。」
起業家として、最大の課題は何ですか?「夢を実現するために、共に働いてくれるチームを見つけることです。最初は、協力してくれる人なら誰とでも一緒に仕事をしていましたが、時間が経つにつれて、単に興味を持っているだけでなく、会社で役割を果たす資格があり、プロジェクトにかなりの時間を費やせる人と一緒に働く必要があることに気づきました。もし誰かがこの3つの資質をすべて備えていなければ、すぐに代わりを探さなければならなくなるでしょう。」
この記事は、2012年のクリーンテック・オープンの参加者に関するデニス・デュボア氏によるシリーズ記事の一つです。デニス氏は、GeekWireのエネルギー関連記事執筆者であり、クリーンテックのマーケティングアドバイザー、そしてクリーンテック・オープンに参加するスタートアップ企業のボランティアメンターとして活躍しています。