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モバイルチップ大手のArmが、人工知能とIoT開発に重点を置きベルビューにオフィスを開設

モバイルチップ大手のArmが、人工知能とIoT開発に重点を置きベルビューにオフィスを開設

トム・クレイジット

セントラル地区、ワシントン湖、ベルビューの航空写真。(Flickr Photo / Joe Wolf)

テクノロジー業界で最も影響力のある企業のひとつが、シアトル地域の動向に追随した。地球上のほぼすべてのスマートフォンに搭載されているモバイルチップを設計するアーム社は、太平洋岸北西部の人材プールに目を向け、ベルビューにエンジニアリングセンターを開設する。

Armは移転を発表するブログ記事で、新オフィスは人工知能、ロボティクス、ヘルスケア分野の研究開発に取り組むと述べています。「この地域には大手クラウドおよびIoT企業が密集しており、機械学習と人工知能への投資も盛んであるため、シアトルは、今後1000億台ものArmベースデバイスを支え、接続するソフトウェアやサービスを開発する顧客やパートナーと協力するのに理想的な場所です」と、ArmのIoTエコシステム担当シニアマネージャー、レックス・セント・ジョン氏は述べています。

Armは実際にチップを製造しているわけではありませんが、AppleやSamsungといった他社がモバイルプロセッサの中核に組み込む設計を組み立てています。これらの設計図は、IoT(モノのインターネット)における産業オートメーションやコネクテッドホームデバイスを動かすチップにも使われています。

データセンターチップの中核にArmの設計を採用するという話も出てきましたが、これはIntelのチップが長年クラウドコンピューティングを支えるサーバーを独占してきたため、主に噂話に過ぎませんでした。しかし、一部のクラウドベンダー、特にイーストサイドに新しく進出したMicrosoftは、データセンターでArm設計のチップを採用することに関心を示していることを公に表明しています。クラウドシティは、Armサーバーチップのテストと開発に理想的な場所となるでしょう。

アーム社は現在、ベルビューで13名の従業員を抱えているが、ダウンタウンのすぐ南に位置する新オフィスには最大30名の従業員を収容できると、同社代表者は述べている。昨年、日本の複合企業ソフトバンクに買収されたアーム社は、英国ケンブリッジに本社を置いている。