
「クラウドは新たな常識」:マイクロソフトはトロント会議3日目にパートナーの参加を呼びかけ
ダン・リッチマン著

マイクロソフトは本日、トロントで開催された年次ワールドワイド・パートナー・カンファレンス(WPC)の3日目となる5日間の会期中、複数の幹部がパートナー企業(独立系ソフトウェアベンダーや再販業者を含む)に講演を行い、法的問題、環境問題、そして自社製品の販売における実務について議論した。しかし、議論と提言の多くはクラウドに集中していた。
「マイクロソフトは変化を受け入れることを選択し、クラウドを導入したパートナー企業はその成果を実感しています」と、ワールドワイド パートナー グループ担当副社長のガブリエラ・シュスター氏は述べています。「クラウドは新たな常識です。収益の半分以上をクラウドが占める企業は、マイクロソフトのサービスを1ドル販売するごとに5.87ドルの利益を得ています。これは、クラウドに投資していない同業他社と比べて40%高い数字です。粗利益と粗収入の両方が向上しています。まさに、皆さんが目指すべきビジネスです。では、この機会を捉えるために、どのような取り組みをしていますか?」

エンタープライズテクノロジーの販売、特にクラウドのような注目のテクノロジーの販売は、自社の営業部隊とパートナー企業の双方の努力に大きく依存しています。カンファレンス全体を通して、CEOのサティア・ナデラ氏をはじめとするマイクロソフトの幹部は、現在アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)に大きく後れを取っているAzureクラウドサービスの拡販に取り組む中で、パートナーが同社の健全な発展にとっていかに不可欠であるかを繰り返し強調しました。
「私たちは皆様に頼っています。皆様に深く投資しています。そして、それは明らかです」とシュスター氏は述べた。「マイクロソフトと取引のあるパートナーは、最も近いクラウド競合他社と取引のあるパートナーよりも19%高い収益性を実現しています。これは、私たちがパートナー主導型であるためです。」
マイクロソフトは、最も優れたトレーニングを受けたパートナーが顧客獲得競争で他社との差別化を図るため、今後は「ゴールド」パートナーのみにロゴの使用を許可すると彼女は述べた。彼女は、パートナーに年間100万件以上の紹介を提供しているシステムを年末までに改修することを約束し、パートナーが資格情報とマーケティング資料を一度アップロードするだけで、マイクロソフトの複数のウェブページに表示されるようにすることを約束した。
ガートナーとIDCによると、クラウド市場は2020年までに5,000億ドルを超えると予想されているものの、現在、クラウド成熟度が最適なレベルに達していると考えている企業はわずか10%に過ぎないとシュスター氏は述べた。これは、パートナー企業が共有できる大きな成長の余地だと彼女は述べた。
しかし、クラウドは依然として懸念事項を抱えており、その一つがセキュリティだ。マイクロソフトの最高法務責任者であるブラッド・スミス氏は、米国政府が海外に保管されている顧客のメールにアクセスできないようにするため、また期限のない政府の秘密保持命令に対抗するために同社が起こした訴訟について詳しく説明した。「人々は、情報が紙媒体で保管されていた時代に享受していた権利と保護が今後も維持されるという確信を求めています」とスミス氏は述べた。
クラウドの欠点の一つは、サーバーの膨大な電力消費とそれに伴う大気汚染だ。スミス氏によると、マイクロソフトのデータセンターだけでも、アメリカの小さな州一つ分以上の電力を消費しているという。現在、マイクロソフトが使用する電力の44%は風力、太陽光、水力発電によるものだ。スミス氏は、この数字は2年以内に50%を超え、その後も毎年増加し、最終的には100%に達すると約束した。