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IBMの新しい「認知アシスタント」は、ワトソンを使って企業ネットワーク上のデバイスの管理とセキュリティ保護を行う。

IBMの新しい「認知アシスタント」は、ワトソンを使って企業ネットワーク上のデバイスの管理とセキュリティ保護を行う。

ジェフ・ホイールライト

IBM Watsonスーパーコンピュータ
IBMのWatson AIソフトウェアは、2011年に「Jeopardy!」で優勝したことで最もよく知られています。(クレジット: IBM)

ラスベガス — IBM は本日、企業の IT プロフェッショナルが直面する大きな課題である「BYOD (個人所有デバイスの持ち込み)」シナリオに取り組むための新しい取り組みを発表しました。BYOD では、従業員が社内のオンプレミス ネットワークやクラウド ネットワークで自分のタブレットやスマートフォンを使用するケースが増えており、IT プロフェッショナルはこれらのデバイスと企業リソースへの接続を管理し、セキュリティ保護する必要があります。

これは新しいシナリオではありません。IBMの競合他社、特にMicrosoftとそのIntune製品は、長年にわたりこの問題の様々な側面に取り組んできました。しかし、IBMは、新しいMaaS360 Advisorは異なると主張しています。

本日ラスベガスで開催されたIBM InterConnectカンファレンスで発表されたMaaS360 Advisorは、IBMのWatsonテクノロジーを活用した「コグニティブ・アシスタント」であり、モバイルデバイス(ノートパソコン、スマートフォン、携帯電話など)だけでなく、新しい「モノのインターネット」(IoT)デバイス(センサー、カメラ、製造装置など)が利用するネットワークの管理とセキュリティ保護を支援する。IBMはこのアプローチを「統合エンドポイント管理」(ネットワークに接続された各デバイスをエンドポイントとみなす)と呼んでいる。

IBM Securityの戦略およびオファリング管理担当ディレクターであるジム・ブレナン氏は、「MaaS360へのWatsonの導入への投資は、IBM Securityにとって統合エンドポイント管理分野への大きな飛躍の足がかりとなります。企業の管理者は、セキュリティの脆弱性、プライバシー規制、複数のOSおよびデバイスのアップデート、コンプライアンス要件など、膨大な量のデータを処理する責任を負っています。MaaS360とWatsonを組み合わせることで、管理者が常に先手を打てるようデータを合理化・精緻化できるだけでなく、管理者が環境と関わる方法も変革することができます。」と述べています。

https://youtu.be/3q_0Zd48_b0

この新しいサービスの一部である MaaS360 UEM と呼ばれるアプリは、IBM が Windows、iOS、Android、macOS/OS X デバイスで使用できるようにすることで、これらすべてのデバイスがエンタープライズ ネットワーク リソースへの管理されたアクセスを簡単に取得できるようにしています。

IBM は、このロールアウトの一環として、デバイス管理の課題増大に関して企業が直面している問題を調査するために昨年秋に Forrester に委託した Forrester Consulting のレポート「モバイル ビジョン 2020: モビリティ、モノのインターネット、人工知能がビジネス変革の未来に与える影響」も引用しました。

報告書の著者らは、2016年10月に米国、英国、ドイツ、インド、オーストラリアの「ITおよびセキュリティリーダー556人」を対象に詳細な調査を実施し、ほとんどの組織が現在モバイルデバイスの管理にかなり分散的なアプローチを取っているものの、デバイスの集中管理への移行が確実に進んでいることを発見したと述べています。

「エンドポイント環境がますます複雑化し、企業がデバイスとエンドポイント管理の所有コストをより厳しく精査するようになるにつれ、組織はデバイス固有の管理からデバイスに依存しない管理へと移行し始めるだろう」とレポートは結論づけている。「2020年までに、このより集中化されたアプローチを採用する組織は42%に増加し、現在はわずか26%にとどまるだろう。」