Vision

レッドフィンCEOグレン・ケルマンが「デタラメだらけの企業世界」に反抗する様子

レッドフィンCEOグレン・ケルマンが「デタラメだらけの企業世界」に反抗する様子

ナット・レヴィ

2018年GeekWireサミットに出席したRedfin CEOグレン・ケルマン氏。(GeekWire撮影、ダン・デロング氏)

グレン・ケルマン氏は、この「特権階級のCEOの時代」を好んでいない。

ケルマン氏は2018年のGeekWireサミットに出席し、テスラの最高経営責任者イーロン・マスク氏の最近の奇行を例に挙げ、昨今、トップリーダーが解雇されることは事実上不可能だと主張した。シアトルに拠点を置くテクノロジー系不動産会社レッドフィンのCEOであるケルマン氏は、リーダーとして、そして会社の運営方法においても、現在の企業風潮に逆らう姿勢を見せたいと考えている。

「私はデタラメでいっぱいの企業世界が大嫌いです。私の目標は、それを超えるビジネスを構築することです」とケルマン氏は語った。

ケルマン氏は、他人がジグザグに動くところでジグザグに動くことで知られている。物議を醸した人頭税問題では、テクノロジー業界とは一線を画し、法案に対する激しい反発の中でも、冷静な視点で、ニュアンスのある形で計画に反対する姿勢を示した。

10年以上前に「不動産はアメリカで最もひどい業界だ」と発言した「60 Minutes」出演から、四半期決算説明会での激しい暴言、宣言、そして予測まで、彼のスピーチは必見だ。注目や論争を避けようとする多くのトップ経営者とは異なり、ケルマンはどこか違う。彼自身なのだ。

「世界はちょっとした個性を渇望している。昔は、自分の変なところを人に悟られないように、大人ぶって振る舞っていたんだ」とケルマンは言った。「でも、もし逆の方向に進んで、ちょっとだけ奇人変人ぶってみたら、一緒に仕事をするべき人が一緒に仕事をするようになるし、一緒に仕事をするべきじゃない人が一緒に仕事をするようになる。そういうことに早く気づけば、お互いにとって良い結果になるよ」

レッドフィンの「全員が床を掃除する」といったスローガンは、誰もが必死に努力しなければならない会社というイメージを描き出している。しかし、経営陣がその哲学を体現していなければ、何の意味もない。だからこそケルマン氏は、旅行の際には高級ホテルではなく、友人のソファで寝るのだと言う。

ケルマンは、自分があまりに居心地の悪さを感じれば、レッドフィンには自分の地位を奪える優秀な人材が大勢いることを理解している。彼は自分の価値について正直であり、従業員に説いているように、自分自身も努力を続けなければならないことを理解している。

「もし自分がその仕事に就く資格がないと感じたら、つまり、いつか自分の下で働く人たちが自分よりも上手く仕事をするかもしれない、そして取締役会の他の誰かが自分より先にそれに気づくかもしれない、といった状況では、相当な努力が必要になります」とケルマン氏は語った。「トップの座を維持するには、強い意志を持ち続けなければなりません。レッドフィンには優秀な人材がたくさんいるので、CEOの地位を得るには、私が誰よりも一生懸命働く必要があると感じています」

ケルマン氏はその「残酷なほど正直」さゆえに、投資家からしばしば批判されてきた。彼が国内不動産市場の減速を警告した後、レッドフィンの株価は暴落した。

しかしケルマン氏は、投資家と従業員に対しては真実を語るだけだと述べている。彼は決算説明会を、単に売上高が「右肩上がり」だと話すだけでなく、「投資家を自分の頭の中に呼び込む」ための手段と捉えている。

この誠実さはケルマンのリーダーシップスタイルの特徴的な要素となっているが、それはすべて演技なのかという疑問が常に残る。

「もしそれが、私が真実を語っていることを偽っているという、ほとんど皮肉な戦術だとしたら」とケルマン氏は語った。