Vision

Cloudflare CEOのマシュー・プリンス氏がGeekWire Cloud Tech Summitでネットワークとネオナチについて語る

Cloudflare CEOのマシュー・プリンス氏がGeekWire Cloud Tech Summitでネットワークとネオナチについて語る

トム・クレイジット

Cloudflareの共同創業者兼CEOであるマシュー・プリンス氏が、2018年のGeekWire Cloud Tech Summitで講演しました。(GeekWire Photo / Kevin Lisota)

インターネットは過去23年間、世界を数え切れないほど変えてきました。そして私たちは、その変化の影響の一部にようやく向き合い始めたばかりです。変化は大きな機会と前例のない課題を生み出しており、Cloudflareはその交差点のまさに真ん中に位置しています。

CloudflareのCEO、マシュー・プリンス氏は、有料顧客(ただしネオナチの顧客)を自社サービスから締め出すという苦渋の決断を下してから約1年後、先週開催されたGeekWire Cloud Tech Summitで、その決断に安堵しつつも、それが同社と世界全体に与える影響について思慮深い様子を見せた。ウェブは1990年代には誰も想像できなかったような方法で利用されており、地球上のほぼすべての先進経済の中心でサービスを提供するために、新たな方法を考え始めるべき時が来ているのかもしれない、とプリンス氏は述べた。

Cloudflareは、世界中のWebアプリケーションにセキュリティと信頼性を提供するサービスを提供しています。独自のネットワーク設計により、悪意のあるトラフィックや善意のトラフィックの急増を吸収し、本来のターゲットからトラフィックをリダイレクトします。そのトラフィックがお客様の製品やサービスへの関心の高まりを反映している場合は、トラフィックを元のサイトに戻します。一方、お客様のサイトを強制的にオフラインにしようとする誰かによるトラフィックの場合は、お客様のサイトからリダイレクトします。

「我々は地球上のあらゆる地点から地球上の他のあらゆる地点へ、誰よりも速く、より安全に、より確実に、そしてより効率的に(通常はより安価に)データを届けることができる」とプリンス氏は述べた。

難しいのは、ベーシックバージョンのサービスに登録し、人種差別的または中傷的なコンテンツを保護するためにサービスを利用する顧客をどう扱うかだ。デイリー・ストーマーは、サイトダウンを狙う攻撃を受けながらも数ヶ月間オンライン状態を維持できた。しかし、昨年8月にシャーロッツビルで行われた白人至上主義集会への抗議活動中にヘザー・ヘイヤーが殺害され、デイリー・ストーマーがCloudflareがサービスを維持することで自分たちの運動を支援していると主張し始めたことで、プリンス氏は我慢の限界に達した。

インターネット上の合法的なコンテンツが保護されるべきかどうかを民間企業が判断することに関しては、この件に限らず、この問題全般について、彼は依然として多少の葛藤を抱えている。そして、様々な団体と1年間協議を重ねてきた結果、特に白人至上主義運動が暗雲から抜け出す中で、これらの問題を前面に押し出す役割を果たせたことを、少なくとも嬉しく思っている。

プリンス氏は、「インターネット上で何を見ることが許されるかを決めるにあたって、クラウドフレアのようなディープインフラ企業の役割が何であるかについて話し合う必要があった」と語った。

もう一つの議論は、荒々しく不安定な暗号通貨市場をめぐって展開している。プリンス氏の言葉を借りれば、「『何かをハッキングしてお金を得る』ということがこれほど直接的に一致した初めての事例の一つ」だ。

Cloudflareが防御で名声を築いたDDoS(分散型サービス拒否)攻撃は、Cloudflareをはじめとするクラウドサービスプロバイダーが顧客保護を強化したことにより、やや弱まってきた。しかし、新興の暗号通貨企業を狙った高度な攻撃が増加しており、その多くがCloudflareを利用していることもあり、「私たちはこうした新たな動きの一部を最前列で見てきた」と氏は述べた。

2009年創業のクラウドフレアは、これまでに1億8,200万ドルの資金を調達しており、直近の資金調達は2014年となっている。同社は売上高1億ドルを「はるかに上回る」水準で、粗利益率は84%だが、設備投資やマーケティングに注力しているため、多くの成長中の非上場企業と同様に損益分岐点に達しているとプリンス氏は述べた。

同社は、そのネットワークでもっと面白いことをやりたいとほのめかしてきた。例えば、開発者が Cloudflare のネットワーク上で実行される軽量のサーバーレス コンピューティング アプリケーションを構築する方法を提供する Cloudflare Workers テクノロジーを使って、Amazon Web Services や Microsoft Azure のようなクラウド インフラストラクチャ企業にアプローチしたいと考えているようだ。

「独立した長期的な企業として成長できる会社を築き上げたことを誇りに思います」とプリンス氏は述べた。「買収されるためにやっているわけではありません」