
AIに特化したスタートアップを売り込む際に創業者が考慮すべき点
ネイト・ベック著

シアトルに拠点を置くFlying Fishは、人工知能(AI)に特化したベンチャー企業として、生成型AIツールがまだ開発されていない未開拓の分野を模索しています。しかし、それは容易ではありません。
「すごいペースです」と、フライングフィッシュの代表ヘザー・ゴーラム氏は、今週シアトルで開催されたAIスタートアップに関するパネルディスカッションで述べた。「空きスペースは本当にあっという間に埋まってしまうんです。」
今年上半期までに140億ドルを超えるベンチャーキャピタルの投資を受け、AI関連のスタートアップ企業が急速に誕生しています。一方、マイクロソフト、アマゾン、グーグルといった大企業は、大規模な言語モデルをコアビジネス戦略に統合しようと競い合っており、中小企業が市場シェアを争うことは困難になっています。
TF Labs AIサミットのパネルディスカッションには、Pioneer Square LabsのソフトウェアエンジニアであるKevin Leneway氏と、Madrona Venture LabsのパートナーであるLarry Colagiovanni氏も参加しました。会話は、AIスタートアップを立ち上げる創業者へのヒントや、AIスタートアップ市場全般に関する解説に焦点が当てられました。
TF Labsの創設者兼CEOであるジョナサン・ブランコ氏が司会を務めたディスカッションの要点を以下にご紹介します。コメントは簡潔さと明瞭性を考慮して編集されています。
創設者: あなたのデータストーリーは何ですか?
コラジョヴァンニ氏:「多くのAIは時間の経過とともにコモディティ化してしまうため、特に生成型AIにおいては、真のAIを差別化要因とすることは困難です。アプリケーションを開発するのは簡単なので、私たちはAIのスライドをざっと目を通します。創業者に質問するのは、独自のデータや自社独自のデータにアクセスできるか、競合他社ができないような、通常は分散しているデータソースを統合しているか、といった点です。顧客とビジネスに関する基本的な質問を探し、データ戦略を徹底的に分析します。それは、長期的に見て貴社にとっての強みとなるでしょうか?」
差別化
レネウェイ氏:「私たちが求めるものの一つは、専門知識です。ChatGPTに行って、ある裁判の最終陳述書を依頼することはできます。しかし、弁護士は日々の業務の中で、本当に何が必要なのかを知っています。重要なのは、壁を壊して、この仕事を世界に発信する意欲のある素晴らしい人材です。彼らは毎日、この仕事に情熱を注いでいるからです。ニュアンスやワークフローを本当に理解している必要があります。」
エキサイティングなクロスオーバー
ゴーハム氏: 「がんや、解決方法が全く分かっていない病気の新しい治療法を見つけるために、これほど多くのテクノロジーが応用されていることを考えれば、本当に驚異的です。持続可能性の観点からも、こうした問題にAIを応用している優秀な人材はたくさんいます。私にとって、科学と機械学習の融合こそが、日々を過ごす上で最も刺激的な分野です。」
デモを超えて
レネウェイ氏:「『私たちは弁護士GPTです。あなたの法律事務所の代わりになります』とか『私たちは営業GPTです。あなたの営業電話はすべて私たちが代行します』といった内容のデモとランディングページを作るのはとても簡単です。誰でもクールなデモを作ることができます。しかし、この分野に参入するなら、明確な市場開拓戦略と、すぐに顧客を獲得できる方法が必要です。」
競争は激しい
コラジョヴァンニ氏:「もし私が誰かにAI企業を立ち上げるべきではないと説得しようとするなら、最大の理由は競合相手が1社、いや5社も現れるということです。それは恐ろしく、恐ろしいことです。それを乗り越えるには、並外れた粘り強さ、集中力、そして意欲が必要です。もし毎朝目覚めて、100万ドルを調達したばかりの新しい企業のニュースを読み、それを競合リストに加えることに抵抗があるなら、AI企業を立ち上げるのは絶対に避けるべきです。まさに今、それが現実なのです。」