
人材紹介スタートアップのSeekOutが6500万ドルを調達、LinkedInなどの人材獲得企業に対抗
テイラー・ソパー著

新たな資金調達: シアトルを拠点とするスタートアップ企業SeekOutは、採用ソフトウェアの成長を加速させるため、6,500万ドルを調達しました。創業4年の同社は黒字を計上しており、過去21ヶ月で年間経常収益が10倍に増加しました。Tiger Globalが主導し、Madrona Venture GroupとMayfieldも参加したシリーズBラウンドでは、同社の評価額は5億ドル近くに達しています。SeekOutは2019年に600万ドルを調達しています。
SeekOutの技術:同社の「Talent 360 」ソフトウェアは、LinkedInの強化版と言えるでしょう。LinkedInやGitHubなどのサイト、研究論文や特許、その他のパブリックドメインから、採用候補者に関する情報を抽出します。また、そのアルゴリズムは様々なデータに基づいて、例えば機密情報取扱資格の有無など、推測を行うこともできます。このプラットフォームには、無意識の偏見を軽減するためのダイバーシティフィルター、自動メッセージングツール、そして職務内容に基づいて過去の採用パターンやニーズを理解する検索エンジンが組み込まれています。
追い風:企業は多様性、公平性、包括性(DEI)の取り組みにますます力を入れています。これが、企業が人種、性別などに基づいて候補者を検索できるSeekOutのようなツールの需要を高めています。データに基づく意思決定への関心の高まりと、テクノロジー分野の人材不足もSeekOutに追い風となっています。
顧客:SeekOutは、世界トップ10企業のうち6社で利用されています。顧客は様々な業界にわたりますが、テクノロジー、防衛、製薬業界が大きな割合を占めています。Salesforce、Waymo、Rover、Merck、Twitter、VMwareなどがSeekOutを使用しています。
競合:シアトル発のスタートアップ企業は、採用・採用関連ツールを提供する既存の企業が多数存在します。LinkedInやWorkdayといった大手採用・人事サービス企業も存在します。同じくシアトルを拠点とするKarat(Tiger GlobalがリードするシリーズBラウンドで資金調達を実施)やTextioといった小規模スタートアップ企業は、面接支援や職務記述書作成といった採用プロセスの特定部分に特化したソフトウェアを販売しています。近年資金調達を行った企業としては、Eightfold AI、Hiretual、Hired、Greenhouse、Hireology、Workable、Beameryなどが挙げられます。

創業者の経歴: SeekOutは、CEO兼共同創業者のアヌープ・グプタ氏(元ビル・ゲイツ氏の技術アシスタントで、以前はマイクロソフトのユニファイド・コミュニケーション・グループを率いていた)と、CTOのアラヴィンド・バラ氏(元マイクロソフトのパートナーエンジニアリングマネージャーで、BingやOfficeなどの製品に携わっていた)によって率いられています。他の共同創業者には、同じくマイクロソフトで勤務していたビカス・マノチャ氏とジョン・ティペット氏がいます。
引用:「人材はどんな企業にとっても最も重要な資産です」とグプタ氏はGeekWireに語った。「製品を作るのも、製品を売り込むのも、販売するのも、顧客の成功を保証するのも、人です。そして、今日、私たちは人材システムが完全に崩壊していると感じています。」
スタートアップの背景: SeekOut のストーリーは、方向転換と忍耐の教訓です。
この会社は、グプタ氏とバラ氏が創業したプロフェッショナル向けメッセージングサービス「Nextio」の発展形です。Nextioの理念は、LinkedInのプロモーションメッセージの受信者に、マーケター、リクルーター、その他リーチを求める人々が支払う報酬を支払うことでした。
Nextioは結局成功しなかったものの、「キャリアインサイト」機能があり、何百万もの履歴書を分析して、ユーザーに将来のキャリアパスや特定の職種に就くために必要なステップを俯瞰的に提示しました。これは、企業の様々な職種に求められる要件や、人々がどのように転職したかなどを理解したいリクルーターの関心を集めました。これがSeekOutの誕生につながりました。
SeekOutの歩みは、ある意味でSlackに似ています。Slackの起源は、オンラインゲーム開発に使われていた社内コミュニケーションツールにあります。そのゲームはサービス終了となりましたが、そのツールは後にSlackへと発展しました。
今後の展望: SeekOutは現在50名の従業員を抱え、迅速な採用を計画しています。同社は、企業が外部の人材だけでなく既存の従業員基盤を評価し、定着率、育成、そしてDEI(Debate and Independent Intelligence:情報技術とイノベーション)の取り組みを支援するツールに投資する予定です。